岩沼市三軒茶屋西土地区画整理組合
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「エントロピー増大の法則」から逃れる為に
こんにちは。
昨夜の長谷川穂積選手の敗戦はショックでしたね。第4ラウンド終了10秒前、アナウンサー
も、解説者も、私たち観客(視聴者)も、長谷川有利のまま次のラウンドに進むだろう、と気を
抜いた一瞬の隙を対戦者のモンティエル選手に突かれてしまいました。
まさに「唖然」そして「ボー然」、一気に脱力していく自分を感じました・・。
モンティエル選手は「野球でいえばホームランのようなジャストミートだった」と語っていたよ
うですが、なるほどあのパンチは完封目前のピッチャーがあと一歩のところで浴びる逆転の
ホームランと良く似ています。
たった10秒で天と地がひっくり返るのを目の当たりにしたわけですが、しかし久々に緊迫感
のある、実力者同士の戦いではありました。
さて、生物学者である福岡伸一さんの新刊「ルリボシカミキリの青」を読んでいたら次のよう
な一節がありました。
生物は必死に自転車をこいでいる。追手からのがれるために。追手は生物をとらえて、その秩序
を壊そうとたくたむ。温かな血潮を冷まそうとする。循環を止めようとする。追手の名はエントロピ
ー増大の法則。輝けるものはいつか滅び、支柱や梁はいずれ朽ち果てる。
いかなる情熱もやがては消え、整理整頓された机の上もすぐに本や書類が積み上がる。乱雑さ
(エントロピー)が増える方向に時間は流れ、時間の流れは乱雑さが増える方向に進む。
生物も、この宇宙の大原則から免れることはできない。しかし、エントロピー増大の法則に先回り
して自らをあえて壊し、そして作り変えるという自転車操業を続ける限りにおいて、生物はその生
命を維持することができる。私たちの身体の内部で、たゆまず、けなげに自転車をこぎ続けている
のは、私たちを構成するひとつひとつの細胞である。
彼らのおかげで私たちは何十年かを生きながらえる。しかし、エントロピー増大の法則はいつか
必ず彼らをとらえる。そして自転車を追い越す。それが死である。
(「ルリボシカミキリの青」福岡伸一著 P182)
私はこれを読んで「家庭と」いうものにも「エントロピー増大の法則」は忍び寄り、たえずその秩序を
乱そうとしているのではないか、そしてその「エントロピー増大の法則」から逃れるために私たちは
絶えず「家事」という「終わりのない仕事」をしているのではないかと、思ってしまいました。
「家庭の死」からのがれるため私たちは絶えず先回りして、炊事や洗濯、掃除に整理整頓などの
「家事」をしているような気がするんです。
賃金をもらえる訳でもなく、これといって多大な感謝をされることもないけれども「それをやらないと
なにか良くないこと起きる」ような気がしてならないんですよね。
そういえば以前、アウシュビッツ収容所の過酷な日々の中で生きのびた人の多くが、身なりを
整え、女性であれば化粧をして、きちんとしている人だったというようなことを何かの本で読んだこと
があります。つまり、「どうでもいいや、もう」となってもおかしくないような状況の中でも「秩序」を保
とうとした結果生き残ったということでしょう。
これも「エントロピー増大の法則」からのがれる術だったのだと思わずはいられません。(もっとも、
本人は無意識にやっていたのでしょうけれど)
こう考えると、家事って大事ですよね。いやぁ、感謝、感謝です。
